炊飯器は毎日の生活に欠かせない調理器具ですが、最近の機種には様々な機能が搭載されています。
その中でも「無洗米モード」と「白米モード」の違いについて疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、両モードの違いや設定を間違えた場合の影響について詳しく解説します。
無洗米モードと白米モードの基本的な違いは何?
水の量の違い
無洗米と白米の大きな違いは、炊飯時に必要な水の量です。
無洗米は白米よりも水の量が多く必要です。
一般的には、白米1カップに対して水1.1~1.2倍のところ、無洗米は1.3~1.4倍の水を使用します 。
無洗米専用の計量カップを使うと、適切な水の量を簡単に測ることができるので便利です。
炊飯モードの違い
炊飯器の無洗米モードと白米モードの違いは、主に炊くときの温度と時間の調整にあります。
無洗米モードは、無洗米が水を吸収しやすいように設計されており、炊飯の過程で水分が行き渡るように時間や温度が調整されています。
一方、白米モードは通常の白米を炊くための設定で、無洗米モードほど水分吸収を考慮していません。
手間の違い
無洗米は、白米に比べて肌ヌカ(精米時に残る糠)が取り除かれているため、研ぐ必要がありません。そのため、無洗米は炊飯前の準備が簡単で、時間と水の節約にもなります。
白米は炊く前にしっかりと洗う必要がありますが、無洗米はその手間が省けるため、日常の炊事を効率化できます。
炊き上がりの違い
無洗米は適切に炊けば白米と同じように美味しく炊き上がりますが、水の量や浸水時間が不足すると、パサついたり硬くなることがあります。
炊飯器の無洗米モードを使用することで、これらの問題を防ぐことができます。
無洗米と白米の基本的な違いは何?
無洗米と白米の基本的な違いは、その精米方法と調理の手間にあります。
精米方法
- 白米: 一般的な白米は、精米工程で肌ぬかが取り除かれるものの、少量の肌ぬかが残っています。このため、炊飯前に必ず洗米(研ぎ洗い)が必要です。肌ぬかを取り除くことで、炊き上がりの味や香りが向上します。
- 無洗米: 無洗米は、追加の工程で肌ぬかを完全に取り除いた米です。これにより、研ぎ洗いの必要がなく、そのまま炊くことができます。
ところで、無洗米を製造するときの加工方法とは?
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BG精米製法(別名:ヌカ式、圧摩擦式無洗米)
この方法は、「ブラン(Bran)=ヌカ、グラインド(Grind)=削る」の頭文字をとって名付けられました。肌ヌカの粘着力を利用して、精白米の表面からヌカをはがし取る方法です。
工場では排水が出ないため環境にも優しい方法で、市場でのシェアが高いです。- 特徴:
- 水や添加物を使わず、肌ヌカの粘着力のみでヌカを研ぎ落とすため、環境負荷が少ない。
- ヌカ臭さが少なく、米の旨味を保ちやすい。
- 精米歩合が高く、白米に近い仕上がりになる。
- 加工工程で発生する微粉ヌカは、飼料や肥料などに活用される。
- 注意点:
- 機械設備が高価である。
- 玄米の品質によっては、ヌカが完全に除去できないことがある。
- 特徴:
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NTWP(別名:タピオカ式、付着材式無洗米)
ネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス(NTWP)方式では、米に少量の水を加えて微粉ヌカ層を柔らかくし、タピオカなどの付着材に吸着させて取り除きます。- 特徴:
- 水の使用量が少ないため、環境負荷が比較的低い。
- タピオカデンプンなどの付着材がヌカを吸着するため、ヌカ臭さが少なく、米の旨味を保ちやすい。
- 比較的安価な設備で加工できる。
- 注意点:
- タピオカデンプンなどの付着材が残ることがあり、食感が少し変化することがある。
- 玄米の品質によっては、ヌカが完全に除去できないことがある。
- 特徴:
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水洗い式(別名: 伝統式無洗米)
水で米を洗い流し、短時間で乾燥させる方法です。伝統的な方法で、簡単に行えるものの、大量の水が必要です。- 特徴:
- 最もシンプルな方法で、家庭でも簡単にできる。
- 加工コストが比較的安価である。
- 注意点:
- 水の使用量が多いため、環境負荷が高い。
- 研ぎ方が不十分だと、ヌカ臭さが残ったり、食感が硬くなったりすることがある。
- 栄養豊富な米ぬかが排水されてしまう。
- 特徴:
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ブラシ式(別名: 機械式無洗米)
ブラシや不織布を用いて、米の表面からヌカを取り除く方法です。物理的な力を利用してヌカを除去するため、機械設備が必要です。- 特徴:
- 短時間で大量の無洗米を加工できるため、生産効率が高い。
- 機械設備による物理的な力でヌカを除去するため、安定した品質の無洗米を作ることができる。
- 注意点:
- 機械設備が高価である。
- 研ぎ過ぎると、米粒を傷つけてしまうことがある。
- 摩擦熱によって、米の風味が損なわれることがある。
- 特徴:
栄養価
無洗米は、研ぎ洗いをしないことで、水溶性ビタミン(ビタミンB1、ナイアシンなど)の流出を防ぎます。
そのため、白米よりも栄養価が若干高いとされています。
ただし、栄養価を重視する場合は、玄米や胚芽米を選ぶ方が良いでしょう。
保存性
無洗米は、肌ぬかを取り除いているため、酸化しやすい部分が少なく、比較的長持ちします。
しかし、美味しく食べるためには、精米日から1〜2ヶ月以内に消費することが推奨されます。
設定を間違えた場合どうなるのか?
白米モードで無洗米を炊いた場合
白米モードで無洗米を炊くと、主に水加減が問題となります。
無洗米は白米に比べて表面のヌカが取り除かれているため、同じ水の量ではパサついたり固くなったりする可能性があります。
無洗米は白米よりも水を多めに必要とするため、無洗米用の計量カップを使うか、白米用の計量カップを使用する場合は水を大さじ1~2杯追加することが推奨されます。
無洗米モードで白米を炊いた場合
一方、無洗米モードで白米を炊いてしまった場合、大きな問題にはならないことが多いです。
無洗米モードでは通常より多めの水を使う設定になっているため、白米も適切に炊き上がることがほとんどです。
ただし、水が多すぎると少し柔らかめのご飯になる可能性があります。
正しいモードで美味しく炊くためには?
水加減に注意する
- 無洗米:通常の白米よりもやや少なめの水加減が適しています。
炊飯器の目盛りに従いますが、それよりも1〜2mm少なめにするのがコツです。 - 白米:炊飯器の目盛りどおりの水加減で問題ありません。
浸水時間を考慮する
- 無洗米:すぐに炊飯を開始しても問題ありません。
ただし、時間に余裕がある場合は30分程度浸水させるとさらに美味しく炊けます。 - 白米:最低でも30分、できれば1時間程度浸水させることをおすすめします。
これにより、米の芯まで十分に水が浸透し、ふっくらとした仕上がりになります。
炊き上がり後の蒸らし
どちらの場合も、炊き上がったら10〜15分程度蒸らすことで、より美味しく仕上がります。
蒸らし中はふたを開けないようにしましょう。
定期的なお手入れ
炊飯器の内釜や蒸気口、ふたの内側は使用後に毎回清掃し、常に清潔な状態を保つことが大切です。
これにより、雑味のない美味しいご飯を炊くことができます。
まとめ
の記事では、炊飯器の「無洗米モード」と「白米モード」の違いについて解説しました。
無洗米は白米よりも多くの水を必要とし、無洗米モードではその調整がされています。
また、無洗米は研ぐ手間がなく、手軽に炊けるのが特徴です。
白米モードで無洗米を炊くとパサついたり固くなることがありますが、無洗米モードで白米を炊くと少し柔らかく仕上がることがあります。
正しいモードと適切な水加減を守ることで、毎回美味しいご飯が炊けます。